WERIDEチャレンジ三宅島08モーターサイクルフェスティバルが今年も成功裏に終了した事を参加した者として大変嬉しく思っております。そして、このイベントを成し得る上でご尽力をいただいた三宅島の皆様、ボランティア・サポーターの皆様、イベントスタッフの皆様、招待ライダーの皆様、大変ご苦労様でした。無事故で完遂できたことは、ひとえに皆様の真摯な協力があったからこそと思います。また、都道や空港・避難施設等を使用するにあたり、調整してくれた関係省庁、都職員の皆様、垣根を越えてのご協力、ありがとうございました。
私は1976年から1987年までレーシングライダーとしてモータースポーツに関わってきました。この三宅島の復興イベントであるチャレンジ三宅島モーターサイクルフェスティバルに参加することになったきっかけは、悪友の強い誘いがあったわけですが、恐らく1983年のマン島TTに出走した経験が理由ではないかと思います。
当時は世界GP選手権に参戦中でのマン島TTエントリーでした。賞金もでるという事でまだ血気盛んな頃ですからなんとかなるだろうと参加したのですが、公道をレーサーのTZで走り競技するという事がこんなにも大変なのかと思い知らされた記憶があります。コーナーひとつひとつのリスクが高く、路面のμは低く、観客は近い・・・結果は完走の16位でした。メカニックからはあとひとつ順位をあげれば賞金が出たのにと言われてしまいましたが、実感としてこの思いは大変新鮮な感覚でした。サーキットレースと公道レースのギャップに大変興奮しました。公道レースはサーキットに対し瞬時の状況観察力、勝負心の中での冷静な思考判断が数倍求められ、この感覚が私のマン島TTでの最大の感想でした。この三宅島でのバイクフェスティバルを通して参加された方々がこの感覚を体感できれば今後のバイクライフに新たな経験としての厚みが出てくるのではないでしょうか!
昨年の第一回よりボランティアでのマーシャルバイクとして参加し、数回三宅島に訪島しましたが、何度来てもこの島の自然は素晴らしいと思います。特に海は釣りが初心者の私でも大きな魚が防波堤で釣れますし、聞く所に寄るとダイビングも盛んで地形に魚に恵まれていると聞きます。また三宅島から船で隣の御蔵島まで行けばイルカと一緒に泳ぐ事も出来るという。三宅島には沢山の魅力がまだまだあるように思います。この魅力をバイクイベントを通じて沢山の人に周知していただく事がモーターサイクルフェスティバルの使命であると思います。私の個人的な考えではありますが、この三宅島モーターサイクルフェスティバルがマン島TTと同じレース主体になるということが絶対条件ではなく、時代に合致した形で沢山の人と企業が参加し知恵を絞り三宅島の復興とモーターサイクルの発展に貢献できればよいと思います。ですから現在日本の4大メーカーとは残念な状況になっているようですが、モーターサイクル人口の底上げという意味においても是非関係を修復していただき、また他業種との組み合わせ等にも活路を見出せればもっと大きな意味合いをもつイベントに発展できると思います。これからもこのチャレンジ三宅島モーターサイクルフェスティバルに関わるすべての人達が温かい目と心と努力によって、大きく発展していく事を切に願うものであります。