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12時20分、エンデューロレースの幕開けとなりました。
選手紹介として小池田猛選手、鈴木健二選手、トラカン・サントン選手、東北からの招待選手である小坂竜也選手、和泉拓選手がそれぞれコースを走って観客にアピールした後、12時25分、櫻田昭正・大会会長の号砲が響くと、86台のエンデューロレーサーが一斉にスタートしました。トップに立ったのは、2連覇中の小池田猛選手。
鈴木健二選手と抜きつ抜かれつの激しいバトルを展開しながら、レースは進んでいきます。 |
今年は七島展望台から、村営牧場跡地までの広大なエリアに渡ってコースが設定され、特に七島展望台へ続くヒルクライム区間は、見渡す限り広がる溶岩原の向こうに太平洋を望むという、三宅島でしか体験できないダイナミックなコース。
ライダーたちはスロットル全開で七島展望台へと駆け上がっていきます。
青空と海と大地。雄大な自然の中を、ライダーたちは、まるで野生馬にでもなったように駆け抜けていきました。
しかしこのヒルクライムも足場がやわらかく、ちょっと油断するとタイヤが埋まってしまう難所。
ここでリタイヤしてしまうライダーもいたほどでした。
七島展望台を駆け下りると溶岩地帯へとコースは続きます。
スロットル全開で駆けぬけるストレート区間と、テクニックを要求されるコーナリング区間がバランスよくミックスされており、ライダーはひと息たりとも気を抜くことができないエリアです。
ここでは村道に併走するようにコースが続く区間があり、観戦者の声援もライダーたちを勇気づけます。 拳大の溶岩がゴロゴロと路面を埋めており、うまくハンドルをさばいていかないと、すぐに転倒の憂き目に遭いますが、ライダーたちは瞬時の判断で疾駆していきます。 |
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溶岩地帯を抜けると、村営牧場跡地へとコースは入っていきます。
土と草、時折現れる窪地がライダーの行く手を阻みますが、一面に広がる草地を駆け抜ける爽快さも感じられるコースに、ライダーはオフロードを走る喜びと楽しさを感じながらレースに集中できます。
そしてまた溶岩地帯に戻り、今度は岩がゴロゴロする上り坂。
ここは高いテクニックを要求されるエリアで、歩いて上るのも苦労する坂を、絶妙なスロットル操作とクラッチワーク、ハンドルさばきで上がっていきます。
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レース中盤から選手たちは給油や、水分の補給にピットに入ってきました。
ピットにはマシンの燃料補給のほかに、こちらも昨年同様に「エイドステーション」があり、ドン・キホーテ様ご提供の水などを補給することができました。
レース終盤、先頭の小池田猛選手は2位以下すべての選手を周回遅れにする圧倒的な強さを見せつけ、出口隼飛選手と鈴木健二選手の熾烈な2位争いが続けられていました。
そして東日本大震災の被災者でありながら果敢にレース活動を続ける和泉拓選手、小坂竜也選手も猛烈な追い上げを見せる白熱の展開。
昨年に続いてタイから三宅島にやってきたトラカン・サントン選手らが観客席前を通過すると大きな声援が送られました。
三宅島のライダーが観客席の前を通ると、ひときわ声援が大きくなります。
ライダーも手をあげたり、ウイリーをして声援に答え、ライダーと観客が一体となってレースを盛り上げました。 |
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15分に渡る耐久レースにチェッカーフラッグが振られ、小池田猛選手が3連覇を成し遂げるという偉業を達成しました。
上位成績を収めたライダーだけではなく、すべてのライダーたちがお互いを称え合うように抱き合ったり肩を叩いたりしてお互いの健闘を称え合い、皆まぶしい笑顔を見せていたのが印象的でした。
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レース終了後、会場内のステージにて仮表彰式が行われました。
仮表彰式では昨年同様クラス別ではなく上から順番に総合として表彰され、23周を走り切った1位小池田猛選手、2位には初出場で22周の出口隼飛選手、3位に鈴木健二選手が同じく22周となりました、4位には池田智泰選手(21周)、5位に内山裕太郎選手(21周)と並んで祝福を受け、シャンパンファイトでお互いの栄誉を称えました。
仮表彰終了後選手たちは再び列を作り、雄山林道を通って第一パドックへと戻り、着替えなどをしました。
観戦者たちは選手の後からバスにて予備会場で行われるグランドパーティーへと向かいました。 |